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【座談会】MICINのデザイナーたちが語る「医療スタートアップにおけるデザイナーの仕事」

こんにちは。MICIN採用担当です。
今回は、現在社内で活躍している4名のデザイナーを集めて座談会を実施しました。

プロダクトのUI/UXを作り上げていく上で欠かせないデザイン。MICINでは、事業部ごとに違った得意分野を持つデザイナーが、個々の強みを発揮しながら活躍しています。
医療業界で働くのは、4人ともMICINが初めてだったそう。入社のきっかけや現在の仕事内容、チーム内での役割などについて語ってもらいました!

MICINでのデザイナーの働き方に興味を持ってくださっている方の参考にしていただけると嬉しいです。

座談会メンバーはこちらの4名です。

KLさん
マーケティングコミュニケーション部 コミュニケーションデザイナー
森美術館、CROOZ、FLANDREを経て、2018年にMICINへ入社。MICINのロゴリニューアル、社内デザイン、プロダクトデザインなどを経験。2021年からコミュニケーションデザインを担当。
SHさん
オンライン医療事業部 デザイナー
IT企業での企画・制作、外資系コンサルティング会社でのデザイナーを経て、2020年にMICINに入社。curonのユーザー側のデザインを担当。
KYさん
デジタルセラピューティクス事業部 プロダクトデザイナー
デザイン会社のフロントエンドエンジニア、BtoB SaaS スタートアップのデザインエンジニア・プロジェクトマネージャーなどを経て、2021年4月にMICINへ入社。
SYさん
オンライン医療事業部 デザイナー
デザイン会社、メガベンチャー、スタートアップでのアプリやサービス開発、メディアなどの各種デザイン・開発などを経て、2021年5月にMICINへ入社。

Q:みなさんがMICINに入社したきっかけは?

KL:おしゃれなものに興味があった20代を経て、30代からは社会貢献など見た目のかっこよさだけでない本質的なものに目が向くようになったのがきっかけです。創業当初のMICINで面談を受けた際に、CEOの原さんと当時のCTOの巣籠さんから「今までにないサービスを世の中に提供するヘルステックの会社を作りたい」という医療に対する野望や熱意を聞いて、一緒にチャレンジしてみたいと感じました。メンバーの経歴もすごくて、せっかくのご縁なので優秀な人と働きたいし、自分も成長したいと思ったんです。

SH:私は、もともとオフラインのサービスをオンライン化する事業に興味があって。前職はコンサルティング企業でデザイナーとして働いてたのですが、プロジェクトの成果としてリアルなプロダクトが世に出ていくことがほとんどなくて。限界を感じていたところに、以前から知り合いだったCFOの徐さんにMICINのことを聞き、ビジョンにも共感して応募したのがきっかけです。

KY:自分は、BtoBのバーティカルSaaSという、特定の業界向けにサービスを作る会社でプロダクトを作ってきました。ちょうど転職を考えていた時に、知り合いから「面白そうな会社の募集が出ている」と聞いたのがMICINで。カジュアル面談でデザイナーさんたちとお話しして、これからのMICINでデザインにできることはまだたくさんあるし、デザイナーとしての多様なキャリアを自分でも実現してみたくて。実は、キャリアとしてはエンジニアの経験の方が長いので、そのバックグラウンドもMICINなら活かせると思ったんです。選考が進むにつれて、自分の今いる事業部でのプロダクト作りにも関心が高まり、最後にCEOの原さんからビジョンを伺って共感しました。

SY:僕は、前職のスタートアップ企業から転職を考えていたところ、人材紹介のサービスを立ち上げた元同僚から紹介されたのがMICINだったんです。転職の際に考えたのは、人生の大部分である、デザイナーとして働く時間を何に費やすか。その点で医療分野はやりがいがあるし、知的好奇心も抱いたのが入社の理由です。
以前は金融系のサービスに関わっていたのですが、医療も同様で、自分たちの作ったものが簡単に結果に結びつかない難しさがあります。だからこそトライしがいがあると思ったし、日本の医療サービスを変革していくことに関わってみたくて。それに、現場の方のお話を聞いていると、皆さん優しさの中に秘める熱い想いがあって、そういった人たちと働きたいなと思いました。

Q:MICINに入社してみて、前職との違いを感じたことはありますか?

KY:MICINの場合は、医療業界や製薬業界・研究者出身の方が多いので、違ったバックグラウンドを持つメンバーに対し、デザイン的な思考を説明しながら作り上げていくところが、これまでとは大きく違う点です。
前職まではメンバーとの共通言語が多かったのですが、今は「プロダクトを開発する時には何を考えなければいけないのか」を伝えながら、一般的なプロダクト開発はこうだけど、医療系のアプリケーションを作る中ではどうしたらいいのか、医療業界の文脈を組み合わせたらどうすればいいのかなどを提案しながら進めていっています。

KL:それは私も同意です。デザイナーと一緒に働いたバックグラウンドのない方が多いからこそ、彼らとの信頼関係を構築することがまずは重要だと思います。コミュニケーションを取る中で、わかりやすいシンプルな言葉でデザインのコンセプトや理念を共有して、より良い人間関係を構築してこそ、一緒にいいものを作り出せると思います。

SY:うんうん。議論の中でデザイナーとして発言することはもちろんあるけど、その手前に、プロジェクトメンバー全員で「どういうものを作ってどんな価値を提供するか」という共通の起点がありますよね。そういう意味では、デザイナーだから、エンジニアだからというのは、その次のステップにある場合が多いですね。

SH:そういう場面で、前職にはなかった開発メンバーとの密な関わりができているのが嬉しいです。さらに前職との違いを感じたのは、プロダクトを作る段階でCSチームの意見も取り入れていること。CSって最後の段階で関わる場合が多くて、プロダクト作りからは遠い印象だったのですが、ユーザーさんの声を直接頂いているメンバーは確かに大事な存在ですよね。プロダクトを作るときの表現方法やCS対応時のことなど、全体を見ながら進めなければと思うようになりました。

Q:実際にはどんな風に働いているのでしょうか?

KY:自分の所属する事業部の場合は、医学的なエビデンスに基づいてプロダクトを作っているので、プロジェクトの進め方は製薬会社で薬を作るプロセスに似ている気がします。審査を通して承認をもらった上で使ってもらい、効果効能を計測していく、みたいな。
一般的なプロダクト作りでは、簡単なプロトタイプをひとまずリリースしてからフィードバックをもとに改善していくことも多いですが、今は特定の疾患を持つ患者さんに向けて作っているので、もしものことがあったら大変です。そうならないようにいろんなことを考えながらやっていて。
だから前職とフローは全然違うんですけど、プロダクトを作ってきた経験があるからこそ、先々のために考えておいた方がいいことが分かるので、プロジェクトを進める上で貢献できているのかなと思います。

SH:KYさんのいる事業部とは違って、私はオンライン診療curonの一般ユーザー側のデザインを担当しているので、医学的知識はそれほど必要ありません。入社した時は、全く医学の知識もない私で大丈夫かなと不安だったのですが、医療系出身者の他のメンバーに教えてもらったりもできますし。
むしろ、実際のユーザーさんも医学的知識を持って病院を受診する訳ではないので、なるべく誰にとっても分かりやすいものを目指したいなと思ってデザインしています。

KY:入社の時点で、医療関係の知識がないとダメなんてことはないです。プロジェクトごとに、必要な知識をキャッチアップしていくイメージですよね。自分は、好きで論文を読んだりしていますが(笑)。

SY:同じデザイナーという肩書きでも、事業部によってやることは全然違いますよね。今のMICINではデザイナーのワークフローが定まっているわけではないからこそ、取り組める箇所はいっぱいあるなと思います。プロダクトのブランディングや、組織のコミュニケーションデザインなどもそうですし、それらをどこまでやるか、デザイナーとしてもさまざまな観点で考えて動ける余地があるんじゃないかな。

KL: MICINに入ってからは、デザイン性の高さなどの「かっこよさ」だけでなく、考えるべきことがたくさん出てきました。患者さんにとってのUI/UXや、医療機関で働く人々の現状、日本の医療制度や法律などを抜きにしては、いいものはできません。
KYさんと同じで、私もファッションやEコマースのデザインをしていた頃はトレンドを重視して1週間でリリースしたりしていたけれど、医療の場合は患者や医師、薬剤師の使い勝手だけでなく、国の制度も考慮して、2か月から半年以上かけてやっと世の中にリリースできます。だから、熱い想いと諦めない精神力がないと、医療テックの事業は続けられないんだなと感じますね。

KY:自分がMICINを選んだのは、そういった法制度などがあったとしても、しっかりとプロダクト開発ができる環境だからでもあります。せっかくプロダクトを作っても、法制度や国へのアプローチ、団体へのアプローチがうまく行かずに開発が止まってしまうことは結構あるんです。MICINは規制との調整もきちんとしているし、医療業界のスペシャリストが集まってるからこそ、作る上でのいろんな障壁を取り除いてくれるので、自分はプロダクトデザインのプロという立場で安心して仕事ができるなと。

Q:医療業界でデザインの仕事をする魅力について教えてください。

SY:医療業界ってやっぱりまだレガシーですよね。この前検査で病院に行ったんですが、オペレーションや仕組み自体にテクノロジーがもあまり使われていない気がするし、もっと良くできるんじゃないかと改めて思いました。なかなか半年や一年で変わるものではないけれど、そこに仕事として取り組めるのは面白みの一つですね。その先には、将来自分や家族が病気をしたときの課題解決にもつながっているわけですし。

SH:そうですね。世の中のサービスって、目標値としてユーザー数の増加とか決済数を掲げることが多いですが、MICINでcuronを担当してからは、「curonを使ったら便利でした」というたった1人のツイートを知れるだけでもすごくモチベーションが上がります。1人でも、医療に不便を感じていたを人の力になれたのかもしれないなって。

KL:日本のオンライン診療を加速させるお手伝いができるのはやりがいですよね。私はコロナ禍に産休に入って、故郷の中国で半年以上過ごしていたのですが、当たり前のように祖父がオンライン診療で北京の有名なお医者さんとやりとりをしていたりと、日本よりも定着しつつあるんです。MICINで、日本の医療も良い方に変えていきたいです。

KY:先日、自分たちが手がけた「心臓外科手術を受けた患者さん向けのプロダクト」のプレスリリースを出したのですが、医学的なエビデンスや専門家の意見を取り入れたりするプロセスを経た分、ユーザーさんにとって有意義なものになっていると思います。

患者さんの術後の生活をより良くするためみんなですごく議論して作ったものが、目に見えるプロダクトになっていくところにはやっぱりやりがいを感じますね。

Q:MICINのカルチャーに合ったデザイナー像は、どんな人だと思いますか?

KY:やっていることもバラバラですし、プロジェクトへの関わり方もそれぞれが「より良いものを作るのにどうしたらいいか」を中心に考えて動いているので、いわゆるデザイナー像の型にハマらず、違った専門性を持つ仲間と一緒に作り上げていける人ですかね。
自分の専門領域じゃないところにも染み出しながらうまく協業できたり、コミュニケーションにおいても、みんなに自分の持っている知識を広めていけたり。そういうことができる人がいいなと思います。

SY:うんうん。「絶対にこの能力がなければいけない」というよりも、チームメンバーとコミュニケーションしながらやっていくマインドが大事だと思います。
自走できるというのは前提としてあるけど、今いるデザイナーは得意分野がバラバラで、そういった武器を他のデザイナーと補完しあったり、チームメンバーとの役割分担を柔軟にやっていけているから価値を発揮できているんじゃないかな。

SY:他者を尊重する人が多いんだと思います。自分の意見を押し通さず、ちゃんと相手のことを考慮して進めていく。全体的にMICINが「優しい人が多い」と言われるのは、そういうところなのかなと感じますね。

KL:それは、MICINという会社全体のカルチャーかもしれないね。


MICINではデザイナーを大募集中です。少しでもご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。