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医療系プロダクトに興味はあるが不安もある、なんていうあなたに



この記事は MICIN Advent Calendar 2024 の 7日目の記事です。
前回は大里さんの、エンジニアにキャリアチェンジしてからの半年を振り返ってみる でした。


この記事を読んでいただいている皆さま初めまして、MICINでプロダクトマネージャを担当しております舟見と申します。

私は主に医療機関や製薬会社のユーザーに利用されるSaaSプロダクトであるMiROHAを担当しており、

デジタルで臨床開発をもっと簡単に、もっと身近に

という事業部のミッションを実現し、まだ世の中に出ていない多くのお薬を世の中の皆さまにお届けるすべく、邁進しています。

私自身は2023年の4月に中途入社でMICINの仲間になっており、前職では広告掲載主とエンドユーザーのマッチングや、ユーザー同士のマッチングを生み出すようなプロダクトに10年ほど携わっていました。

医療ドメイン完全未経験、病院に行く機会もだいたいは年に一度の健康診断くらいであった自分が、医療で且つtoBのプロダクトに関わってきたこの2年弱で感じてきたことを、徒然なるままに書いてみようと思います。

🎄こんな方に読んでみていただきたい

  • 最近オンライン診療とか良く見るし、医療プロダクトでプロダクトマネージャをやってみるのに興味もあるけど、難解なドメイン知識が必要そうだしな・・

  • 医療系のプロダクト開発に携わってみたいけど、今まで自分が身につけてきたケイパビリティで果たして通用するのかしら・・

こんなことをお考えの方へ向けて、カジュアル面談やウェビナー等でも頻繁にご質問いただくような内容を中心にして、MICINにおけるプロダクトマネージャの動きや必要とされるスキル・知識について少しだけイメージをつけていただくことを、この記事のゴール設定としたいと思います。

未来の仲間へ届くことを祈って・・!!

🎄ドメイン知識のキャッチアップ大変じゃない?

結論:大変じゃないと言うと、嘘になります

まずはこちらから。
「ドメイン知識のキャッチアップなんてスムーズ過ぎて毎日余裕で超ハッピー、今日も空は青いし酒が美味い!!」
というわけではなかったので、上記の結論としています。

必要とされるドメイン知識の要素を分解してみると、例えば以下のような知識・理解が必要になってくるかと思います。

  • 医療関連の基本的な知識

  • 自身が関わる領域のマーケットサイズや動向の把握

  • 医療機関における業務フローの理解

  • 法律・規制等、世の中に存在するキマリゴトに関する知識

  • 同一ドメインの同業他社の動向や、バリュープロポジションの把握

(他にも沢山あると思いますが)こういったドメイン知識の理解を、入社後に深めていく必要があります。

今もまだまだですが、最初のうちは特に大変でした。医療機関との面談に出席しても、出てくる単語がそもそも理解できない。調べてみても全然関係ない自動車部品の情報とか出てきて「んなわけあるかい!」の日々でした。

ただ一歩引いてみると、これは何の領域だろうが同じ話だと思います。

結局のところ抽象度を上げてみると「自身が関わる領域のゲームのルールを知る」に尽きるわけで、領域が医療だろうと人材だろうと日常消費や物流だろうとどんなプロダクトでも、最初に足を踏み入れる際には一定以上のキャッチアップコストはかかるだけの話なので、「医療だから特別に大変」と結論づけるものではないと考えています。

じゃあどうするの、で言うとこれはもうひたすらに一次情報を取りに行く。そこにしか答えはないんじゃないでしょうか。

入社前に担当領域に関連する書籍を読んで勉強もしましたが、入社前に得られた知識を”10”とするなら、入社後の3ヶ月で得られた知識・理解は”30,000,000”くらいでした。(体感値の暴論)

綺麗に整理された内容からも学べるものは沢山あります。一方で複雑な業務プロセスの実態や、文面からは決して読み取ることのできないニュアンス、医療従事者の皆さまの心の声は、どこを探してもその辺に転がっている情報ではありません。

そういう意味でも、沢山の医療機関の方々との面談の中で直接的にお聞きできたお話にこそ、自身のドメイン知識を加速度的に深めることのできたヒントが沢山ありましたし、そこにしか無かったなと思います。

大丈夫、頑張って一次情報を取りに動いていればいつの間に点が線で繋がっていきます。(&MICINにはありがたいことに、そういうチャンスが山ほどありました)

🎄プロダクトマネージャの仕事の範囲は?

結論:幅広いです(でも、どこも一緒じゃない?)

次にプロダクトマネージャの仕事の範囲。これも聞いていただくことが多いご質問です。

乱暴ですが「プロダクトに関わることなら何でも」になるかと思います。

プロダクトの方針を考え計画に落とし、ユーザーヒアリングを行いながら粛々と要求・要件を定義し、いわゆるPRDを固め、デザイナーやエンジニアと共にプロダクト開発を進めていく。そういったピュアなプロダクトマネージャの仕事とされる部分以外にも沢山の仕事があります。

顧客との調整や関係性の構築、不測の事態が起きた際のトラブルシューティング、自社のプロダクトが医療機関の基準を満たしているかどうかのアセスメント対応など、実に様々な業務に向き合う機会が多いのがMICINのプロダクトマネージャであると言えます。

中には組織の中で落ちているこぼれ球を拾って物事を前に進めるために善処していくような、いわゆる「名も無き仕事」も沢山あります。←好きな言葉

ただこれも前項と同じ話で「それってどこも一緒じゃない?」としか思いません。

リサーチ組織やプロジェクトマネジメント等の組織まできっちりと細分化され、職能ごとに業務の線引きが明確になっている会社の方が実は少なく、気づけば泥んこになりながら”プロダクトに関わる”と枕詞が付く仕事だったら何でもやっているのが多くのプロダクトマネージャなのだと思いますし、個人的にはそれが一番健康的だと考えています。

業務の線引きが明確であればあるほど他責の思考が生まれやすいし、自宅の玄関先しか雪かきしないようなマインドが生まれてしまい、結果的にそれがプロダクトの成長速度を鈍化させるのではないでしょうか。
業務と業務の間の線の数が多く引かれれば引かれるほど、意識せずとも人は主体性を失っていく生き物ですよね。

よってこちらも「医療系のプロダクトだからプロダクトマネージャの仕事の範囲が異なる」なんてことはなく、どんな領域であっても「幅広くやれば良いだけじゃん」と私は考えています。

🎄入社前後のギャップはあった?

結論:たいしたギャップはなかったんじゃないかな

「入社後ギャップありましたか?」も良くいただくご質問かと思います。
※人事系の方からもオンボーディングが順調かを測る意味で入社後の一定期間で聞かれたりしますね

ここも思い返してみると、私の場合は大きなギャップは感じなかった部分かもしれません。

  • 苦労しそうだなと思っていた部分は、予想通り苦労する

  • 一方でやりがいを感じるだろうなと思っていた部分は、きっちりとやりがいを感じられる

といった振り返りになります。

上述の通り、ドメイン知識のキャッチアップには相応の苦労を要していますし、それ以外にも立ち上がり時には苦労する点が沢山あります。新しい会社に転職するということは全く異なる民族の中に飛び込むことになるわけで、当然に文化も違えば言語も違ってきます。自分自身が培ってきた価値観の本質は大切にしつつ、一定はドメイン・組織に適応していく労力は発生します。そこを最小化させようとするならそもそも転職しない方が良いです。現状維持が一番楽なので。

やりがいという点では、私自身はユーザーとの距離が近く直接的なフィードバックを得ることができるというのが入社前に楽しみにしていた点のひとつですが、ここはありがたいことに日々日々多くのフィードバックをいただける環境に身を置くことが出来ています。
時には厳しいお声を頂戴したりすることもありますが、自身の根っこにある「目の前のユーザーが喜び、貢献できていることを感じられる」という動機に対しても入社後のギャップはなく、きっちりとやりがいを感じられている部分なのかもしれません。

どうなんでしょう、私の場合は入社前後のギャップと問われると「めちゃくちゃあったのよ!高低差でキーーン!」的な大して面白い話ができないのですが、他のMICINのプロダクトマネージャがどうなのかは折を見て聞いてみたいところですね。

🎄医療以外のプロダクトと比べて、プロダクト開発のスタイルは違う?

結論:(n=1の意見かもしれませんが)本質は全く変わりません

私自身、様々な領域でのプロダクト開発を経験してきましたが、プロダクト開発のスタイル自体が大きく異なるという印象は持ちませんでした。

もちろん、スクラムやウォーターフォールといった手法の違いや、プロダクトに紐づくサブプロダクトの数の大小によりプロダクト開発のプロセスが異なるなど、様々な変数によってプロダクト開発の型は異なってくるかと思います。

また、医療機関の中で利用されるプロダクトとして品質面にも細心の注意を払い、安心してご利用いただけるような努力も怠らず、です。

ただし、プロダクトづくりの本質自体が医療系だから異なる、といったことはありません。

個人的にはプロダクト開発の本質は

方向性を決め、何をつくるか決め、チームで議論し最速で価値を提供していく

だと思っています。

医療系だから上記の本質が変わってくると思ったことは入社以来一度もありませんし、今後も変わらない部分だと考えています。

🎄おわりに

ここまで書いてきたものを自分自身で読み返してみて、改めて「医療だからどうのこうの」っていうのは究極的には「無い」と言い切りたいのが2024年12月時点での自分である、と感じています。

確かに、医療ドメイン未経験で難しそうな領域に飛び込むことを考えると、自分自身が培ってきた経験・スキルが通用しないのではないか、と不安に思う方もいらっしゃるかと思います。

ただ結局は医療に限らず新しいドメインに飛び込むということは、どこまで行っても蓋を開けてみないとどうなるかわからないですし、想像上では良い未来も悪い未来もどちらも見えるでしょう。

そんなことに不安になっているよりも、自分が仕事の上で大切にしている価値観や譲れないもの、もしかしたらここは強みかもしれないという点だけ自分の中で腹落ちさせ、あとは飛び込んでみるだけなのかもしれません。

ということで、2025年も沢山の新しい仲間に出会えることを楽しみに、師走の医療業界で邁進していきたいと思います!


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